(23)レポート23回目は松武秀樹さん!

2016.11.28

(23)レポート23回目は松武秀樹さん!

MOOG Ⅲc 解体新書 ~タンスが全てを知っている~

そのレトロなルックスと何とも言えない風貌、見る人を瞬く間に魅了するシンセサイザーの元祖「MOOG Ⅲc」について語れるのは、松武秀樹さんしかいないのでは?こんな想いから実現したこの講座は、「MOOG Ⅲc 解体新書」 ~タンスが全てを知っている~と名付けられました。タンスとはMOOG Ⅲc の愛称です。その風貌から名付けられた様で、まさに家庭の中にある洋服箪笥のようなルックス、その昔ローディーさんが抱え込んで搬入している様を見て、いつからか音楽業界全般で言われる様になって来ました。

会場には、そのMOOG Ⅲcを目の前で体感出来るとあり、コアなシンセファンらしき方々に大勢集まって頂きました。中には九州から飛行機に乗ってお越しいただいた熱心なファンもいらっしゃり、会場は他の教室とは違い、一種独特な雰囲気に包まれていました。

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松武さんが「MOOG Ⅲc」と共に、レコーディングに参加した作品を取り上げ、「MOOG Ⅲc」の音を体感できる講座として実現しました。オリジナルの「MOOG Ⅲc」と、最新のバーチャル音源(ソフトシンセサイザー)と比較をしたり、まさに作り上げてきたオーソリティが、次の一手を公開するような講座になりました。
松武秀樹さんが参加した楽曲をもとに解説が始まります。その楽曲、アーティストがまさにレジェンドです。
まず、
1.オリジナル音源を試聴
2. MOOG Ⅲcで再現
3. 最新のバーチャル音源(ソフトシンセサイザー)で再現比較し、MOOG Ⅲcの存在、そのものを実感する
以上の構成で講座は進められました。

最初の音源解説は、大瀧詠一さんの名盤アルバム「A LONG VACATION」のあの音の解説からスタート。今のシンセサイザーの様にプログラミングが出来るわけではなく、当時の大滝さんの様な偉大なアーティストから、音に対するイメージを言葉でキャッチし、そして制作して来たとの事です。たとえば「ブーメランを投げて帰ってくる時の音」が欲しいなあ~のように。なるほど、確かにそう言われてみると。受講生一同、納得の模様です。
次は、誰もが知る松田聖子さんの名曲に繋がるシンセ・サウンド制作秘話に。
当時としては想像もつかないほどの時間と制作費をかけて作った名曲の数々の解説から始まります。耳では解析出来ないほどの音源が重なり合い、あの重厚なサウンドは出来たようです。しかしながら、松武御
大が仰った一言で、会場は納得します。 「どんなに時間とお金をかけても歌の存在感でグッと作品力は上がってしまうんですよね!」 まさに格言、現場の制作環境を知り尽くした巨匠は鋭い一言で締めくくってしまいました。
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そしてそして、誰もが訊きたかったYMOのサウンドの肝とも言える数々の音色、そしてMOOG Ⅲcは何を生み出してきたのか? 実際の音源再現に向けた、MOOG Ⅲcを使ったその場での音創りが行われました。MOOG ⅢcとYMOは切っても切り離せない関係だったのは周知の事実。天才集団YMOの中において、音楽を具現化することすら奇跡の連続だった様です。蛇足になりますが、このYMO、 松武秀樹さんのMであると古くから音楽業界では語られて来ています。終始、音楽好きな仲間が日本全国から集まったようなソニックアカデミーフェスの空間、MOOG Ⅲc 解体新書 ~タンスが全てを知っている~、これが松武ワールドの全てなのではないでしょうか。シンセの無限の可能性で満ち溢れた90分間の講座となりました。

松武秀樹さんのオフィシャルHPはこちらです。
http://motion-pm.com/?p=87